10週5日〜稽留流産が分かった日〜
助産院で産むには、20週までは提携の病院で検診を受けます。
分娩予約をした時、「このまま順調に過ごしてまたここに戻ってこよう」と誓っていたのに、それが夢と消えてしまった。
提携病院の初診で、流産と診断されました。
その日は朝イチで病院に行き、初診のための書類や助産師さんの問診に色々と答えて「今日は会社間に合うかな〜」なんてのんきに考えてた。
そして診察。
初めて会うお医者さんだけど、「いい人そう!」と第一印象で思うことができてこれからここに通うのも楽しみだな〜なんて思ってた。
「じゃあ診察しましょう」
毎回緊張するエコー。
心拍が見えるまでは、いつも本当に緊張します。
10週なので腹部エコー。
もう最初から私が見ても「あれ?」だった。
どの角度から見ても心拍が見えない。
前回はピコピコ動いていたはずの心拍が無い。
赤ちゃんも全く動いていない。
お医者さんも途中で確信したはずだけど、かなり丁寧にエコーをしてくれた。「このあたりに心拍が見えるはずなのですが、見えませんね」「クリオネみたいに動いていて欲しいんですが、動いていません」。
…まじかーーー。。。
まだ受け入れられず、診察の椅子に戻る私。
椅子に座ったら涙が溢れてきた。
その様子を見て、お医者さんはかなり言葉を選びながら、慎重に、丁寧に説明してくれた。
「いま10週5日ですが、エコーから見える大きさだと9週5日の大きさです」
「哺乳類はもともと流産しやすくて、5回に1回は流産すると言われていて」
「お母さんとしては、『あの時こうしていなければ』と思うこともあるかもしれませんが、お母さんのせいではありません」
「もし産まれたとしても、染色体の異常などで長くは生きられなかった命だと思います」
たしかそんなことを話してくれた。
過呼吸になる寸前まで呼吸が乱れて、とても正気ではいられなかった。
それでもここまで本当に丁寧に向き合ってくれていて、頭のどこかで「私のせいでほかの患者さんを待たせてしまっている」と思ってしまった。
無理やり自分を落ち着かせて、手術の説明を聞いた。
手術か、自然排出か、とあったけど赤ちゃんが大きい(と言っても3センチ)ので手術が好ましいとのことだった。
「今日は辛いと思うので、日を開けてもう一度診察しますか?」
「今日もう一度エコーを見ますか?」
と打診もしてくれたけど、それに応えるエネルギーすら残っていなくて首を振った。
手術に向けて採血をすることに。
本当だったら、産むための採血をする予定だったのに。
頭はボーッとしていて、何も考えられなかった。
あとは会計とのことで、待合室にいると妊婦さんが目に入るのが辛かった。
私も産みたかった。
12月生まれのあなたを抱きたかった。
泣くのは家に帰ってからにしよう、そう思って病院を出た。帰りのバスは必死で耐えた。
会社は休むことにした。
こんな状態で知り合いに会えない。
何も考えないようにして、買い物をして、帰宅した。
玄関に荷物を置いた瞬間に泣き崩れた。
人生でこんなに泣いたのはいつだっただろう。
声を上げて泣いた。